今日は全日本私立幼稚園の連合会の機関誌「私幼時報」を読みました。「幼稚園はこどもがはじめて出会う学校です」という見出しから始まるものでした。徒然なるままに今日のブログを書いてみようと思います。
「私幼時報」の記事にもありましたが、ネイティブアメリカンの伝説には、子どもたちは “borrowed from the future”(未来からの預かりもの)であるという考えがあります。この言葉を噛み締めながら、私はふと諏訪幼稚園の園児たちが駆け回る百々が峰の麓にある諏訪幼稚園のふわふわしたグラウンドを思い浮かべました。未来からの預かりものたちは、この地で土の感触を楽しみ、森の香りを胸いっぱいに吸い込み、大地を蹴りながら自分の世界を広げていきます。この”アナログ”な体験こそ、彼らが未来のデジタル社会を乗り越えるための、基礎の基礎なのだと思うのです。
デジタル化、AIの進化、それらは避けられない波です。しかし、その波に飲み込まれないためには、まず足元の地盤をしっかり固めることが必要です。例えるなら、基礎の基礎を教える重要性をイチローさんが岐阜県立高校で説いておられる姿を思い浮かべました。諏訪幼稚園は、”幼稚園という基礎”のさらに深い基礎を築く場として、子どもたちに多様な体験を与えています。
また、包摂性(インクルージョン)と多様性(ダイバーシティ)にも触れられていました。私たちが心から大切にしているテーマです。世界が多様であることを子どもたちに伝え、それを自然に受け入れる力を育むこと。それは、ネイティブアメリカンの教えとも通じるものがあるように感じます。火事や環境破壊が進むアメリカ西海岸の状況を思いながらも、自然とともに育むこの地の大切さを実感しています。
では、デジタルの波にどう向き合うのか。諏訪幼稚園はデジタルとアナログ、そのどちらも包含する場でありたいと思っています。子どもたちは泥だらけになって遊ぶ一方で、AIやテクノロジーに触れる基礎も学びます。どちらか一方という二元論ではなく、その両方を融合させる力こそが、これからの社会で求められるのではないでしょうか。
諏訪幼稚園の園児たちが、未来の社会で羽ばたく姿を想像しながら、これからもこの場所を守り、育てていきます。それは大きな挑戦かもしれませんが、未来からの預かりものたちの笑顔を見るたびに、挑戦する価値を確信しています。
理事長のつぶやき