ベトナムの幼児教育の特徴を、政府および民間の公式情報をもとにまとめます。
教育制度と義務教育
ベトナムの教育制度は、初等教育5年、中等教育4年、高等教育3年で構成されています。 2019年の教育法により、就学前の5歳児教育が義務教育に加えられ、10年間の義務教育となっています。
公立と私立の幼児教育施設
幼児教育施設は、公立と私立の両方が存在します。公立施設は国のカリキュラムに基づき運営され、私立施設は独自の教育プログラムや外国の教育メソッドを取り入れることが可能です。 私立施設の中には、モンテッソーリ法やレッジョ・エミリア法などの先進的な教育方法を採用する園もあります。
STEAM教育の導入
近年、ベトナムでは幼児向けのSTEAM教育(科学、技術、工学、芸術、数学)を推進する動きが見られます。日本の教育企業がベトナムの幼稚園と協力し、幼児向けのSTEAMカリキュラムを開発・普及しています。
教育の質と地域格差
都市部の幼児教育施設では、英語教育や先進的な教育メソッドを導入するなど、質の高い教育が提供されています。一方、農村部や山岳地帯では、教員や教材の不足、保護者の教育理解度の低さなどから、教育格差が生じています。
保護者の教育熱心さ
ベトナムでは、儒教の影響もあり、保護者が子どもの教育に非常に熱心です。家計の中で教育費が大きな割合を占めており、子どもの将来のために質の高い教育を受けさせたいと考える家庭が多いです。
EdTechの普及
教育分野におけるテクノロジーの活用が進んでおり、幼児教育においてもデジタル教材やオンライン学習が普及しています。特に、都市部ではスマートフォンの普及率が高く、教育のデジタル化が加速しています。
これらの特徴から、ベトナムの幼児教育は公立と私立の多様な選択肢があり、STEAM教育やEdTechの導入など、質の向上に向けた取り組みが進められています。しかし、地域間の教育格差や教育の質のばらつきといった課題も存在しており、今後の改善が期待されています。