オールボーはデンマーク北部に位置し、地域社会との深い連携を基盤とする幼児教育のモデル都市として知られています。この街の幼稚園では、保育の空間づくりそのものが保護者や建築家、アーティスト、さらには子どもたち自身と共に設計されており、「共につくる学びの場」が重視されています。
園舎のデザインには自然素材がふんだんに使用され、木の温もり、柔らかな照明、感触を楽しめる造作など、五感に訴える空間づくりが行われています。教育の核には「スローペダゴジー(slow pedagogy)」という考え方があり、子どもの個性やペースに応じて、丁寧で急がない関わりを大切にする姿勢が浸透しています。
日々のカリキュラムには、自然観察や地元農家との交流、地域ボランティアによるワークショップなど、実社会とのつながりを持った活動が数多く取り入れられています。特に高齢者施設との協働による世代間交流が盛んで、一緒に歌を歌ったり料理を作ったりする中で、子どもたちは思いやりや社会的責任感を育てていきます。
オールボーの教育は、園の中だけで完結するのではなく、まち全体を「学びのキャンパス」ととらえ、子どもが地域の一員として育っていくための土壌をしっかりと耕しています。信頼・共感・協働という価値観が、子どもたちの成長を穏やかに支えているのです。 北部の街オールボーは、地域の人々との共同によって保育環境をつくり上げています。保護者、建築家、アーティストが園の空間づくりに関与し、「五感を育む場」を整えています。「スローペダゴジー(ゆっくり育てる教育)」が大切にされ、自然や他者との関係性を重視した学びが展開されています