諏訪幼稚園の正門の横に大杉があります。まるで大きな杉の木が時を超えて見守るように、諏訪幼稚園は今年で創立70周年を迎えます。これまでの70年間、たくさんの子どもたちがこの園で学び、遊び、成長し、やがて社会へと羽ばたいていきました。その歴史は、根を深く張り、枝を大きく広げる一本の大樹のようなもの。
杉の木は、世界中で「長寿の象徴」や「見守る存在」として語り継がれています。今回は、諏訪幼稚園の70年の歩みを、そんな世界の大杉たちの物語と重ねながら振り返ってみたいと思います。
大杉とともに刻む歴史
園庭にそびえ立つ大きな木。その下では、子どもたちが鬼ごっこをしたり、葉っぱの影に隠れたりしながら、毎日たくさんの思い出をつくっています。そんな光景を見ていると、日本の昔話に登場する「おしゃべりな大杉」のことを思い出します。
この杉の木は、村のあらゆる出来事を見守っていて、なんでも知っているおしゃべり好きな存在。風にそよぐ葉を通じて、こんなことをささやくのです。
「今日もあの子は元気に走り回っていたよ」
「先生はこっそりおやつを食べていたね」
まるで、諏訪幼稚園の先生たちが子どもたちの成長をあたたかく見守っているようです。
70年の歩み、そして次の100年へ
70年前、諏訪幼稚園は小さな苗木のような存在でした。しかし、先生方や地域の方々、そして子どもたち一人ひとりの力によって、しっかりと根を張り、大きな木へと成長しました。
ケルト神話では、「大きな木は過去と現在、そして未来をつなぐ存在」とされています。諏訪幼稚園もまた、これまでの歴史を大切にしながら、新たな時代に向けて芽を育て続けます。
アメリカの大杉と、子どもたちの未来
アメリカのカリフォルニアには、何千年も生きる巨大なレッドウッドの木があります。昔、「世界一の木登り名人」と名乗る男が、その大杉に挑戦しました。
彼は見事に頂上まで登り切りましたが、その瞬間、ふと気づいたのです。
「……降り方考えてなかった!」
村人たちは大笑いし、子どもたちは「授業ごっこ」を始めました。
「じゃあ、降りる方法を考えましょう!」
「そんなのいいから、早く助けてくれぇ!」
結局ロープで救出されましたが、それ以来、彼は「降りられない名人」と呼ばれるようになったとか。
この話が教えてくれるのは、「目標を達成することも大事だけれど、その先のことを考えることも同じくらい重要だ」ということ。諏訪幼稚園もまた、大杉のように未来へ枝を広げ、子どもたちが安心して成長できる環境を守り続けます。
そして、ここを巣立った子どもたちが、大人になり、自分の子どもを連れてまた戻ってくる——そんな日が訪れることを願いながら、私たちはこれからも「大杉」のような幼稚園であり続けたいと思います。
これからも、諏訪幼稚園をどうぞよろしくお願いいたします。
理事長のつぶやきでした