昨日のフィンランドに続き、今日はスウェーデンの幼児教育についてご紹介したいと思います。スウェーデンは、私が過去の仕事において最も深く関わり、一緒にお仕事をさせていただいた国の一つです。今でも、忘れられない大切な人々がたくさんいます。スウェーデンの幼児教育は、平等、子ども中心の学び、そして全人的な発達という3つの基本理念に基づいているようです。幼児期の学びでは、遊びを通じた学習を大切にし、社会性、言語能力、認知スキルを育むとともに、好奇心や自立心を促します。また、幼少期から共感力、自信、社会への帰属意識を養うことを重視しているのも特徴です。保護者の関与も重要な要素の一つです。スウェーデンでは、親と子が一緒に活動できる**オープン・プリスクール(Öppna förskolor)**が提供され、幼児期の学びが家庭と連携しながら進められます。さらに、政府補助により保育料が所得に応じて設定されているため、高品質な教育がすべての家庭に開かれています。また、少人数制を採用し、体系的な学びと創造的な遊びのバランスを重視したカリキュラムが組まれています。加えて、スウェーデンでは柔軟な保育制度が整備され、どの家庭の子どもも質の高い教育を受けられる環境が確保されています。就学への移行もスムーズに進められるよう、「慣らし保育(Inskolning)」が導入され、小学校へ安心して進めるよう支援が行われています。学力の向上だけでなく、子どもの幸福感や個性、生涯にわたる学びの力を育むことを重視するスウェーデンの幼児教育は、世界の教育に多くの示唆を与えるモデルとなっているようです。