コロンビアの幼児教育システムは、政府および民間の取り組みを通じて、包括性と発達を重視しています。国民教育省が就学前教育を管轄し、0〜5歳の子どもたちに教育の機会を提供することを保証しています。「De Cero a Siempre(ゼロからずっと)」のようなプログラムは、幼児期の包括的な学習、栄養、社会的包摂を促進しています。
しかし、農村部ではインフラ不足や教師の不足などの課題が残っています。地域密着型の学習センターの設立などが、こうした格差を埋める取り組みとして行われています。また、研究では、母親の教育水準が幼児の発達に影響を与え、教育水準の低い母親の子どもは栄養失調のリスクが高いことが示されています。
民間や非営利団体も重要な役割を果たし、芸術、テクノロジー、平和教育を統合した革新的な教育モデルを提供しています。特に、紛争の影響を受けた地域の子どもたちへの支援が進められています。
また、カリキュラムには文化的アイデンティティが統合されており、先住民やアフロ・コロンビア系の伝統が尊重されています。スペイン語と先住民言語のバイリンガル教育も行われ、言語的多様性の保護が図られています。
こうした進展がある一方で、貧困層や農村部の子どもたちには依然として格差が存在します。今後もインフラ整備や教師の育成、包括的な教育アプローチへの投資が、コロンビアの幼児教育の持続的な発展に不可欠となるでしょう。